突然ですが、質問です。
「あなたは、どんなライバーですか?」
もしこの質問に対して「えっと、いつもは雑談してて、たまにギターも弾いて、たまにゲームもやって…色んな人が来てくれる枠です!」と答えてしまったら、少しだけ危険信号かもしれません。
なぜなら、あなたが「自分を一言で表せない」ということは、リスナーも「あなたの配信がどういう場所なのか、誰にも説明できない」ということだからです。
なぜ「何でも屋」は失敗するのか?
新人ライバーさんが一番陥りやすい罠が、「誰にでも好かれたいから、全部のジャンルをやる」というものです。しかし、これはマーケティングや心理学の観点からは一番の悪手です。
人間は、選択肢が多すぎると逆に「選ぶこと自体をやめてしまう(何も買わない)」という心理的特性を持っています。スーパーで24種類のジャムを売るより、6種類に絞った方が売上が上がるという有名な実験です。これを配信に置き換えると、「歌もゲームもメイクも雑談もやります!」という幕の内弁当のようなライバーは、リスナーから見て「何を楽しめばいいか分からないから、見るのをやめる」という最悪の結果を招きます。
逆に、「この人は『昭和のヤンキー語り』だけは誰にも負けない!」という1つの強烈な特徴(USP)があると、リスナーはその一点の輝きに引っ張られて、「きっと歌やゲームも面白いに違いない」と全体の評価まで引き上げてくれます。これを「ハロー(後光)効果」と呼びます。「あなたといえば〇〇」という強烈な【一つの旗】を立てること。それがブランディングの正体です。
マネージャー直伝!「一言コンセプト」の作り方
では、どうやって自分の「一つの旗」を見つければいいのでしょうか。難しく考える必要はありません。次の3つの成分に絞って、自分の言葉を当てはめてみてください。
「みんなと一緒に楽しくお話する雑談ライバーです!」
このフワッとした文章を、マネジメントの現場でよく使う「一言コンセプト」の公式に当てはめて削り出していきます。
「みんな」という言葉は禁止です。「仕事で上司に理不尽に怒られた新入社員」「学校で同じ趣味の友達がいなくて浮いている高校生」くらい、特定の一人に絞り込みます。
「ウケる」という結果ではなく、心の動きを言葉にします。「スナックのママみたいに全肯定されてホッとできる」「深夜のテンションで腹を抱えて笑える」などです。
ただの雑談ではなく、「関西弁で」「90年代アニソン縛りで」「絶対にリスナーをいじり倒す」など、あなたにしか許されないエッジ(トゲ)を見つけます。
材料が揃ったら、これらを1文に繋げます。すると、先ほどの「みんなと話す雑談ライバー」が、こんな風に生まれ変わります。
「上司に理不尽な怒られ方をした社会人が、コテコテの関西弁で絶対に全肯定されて、明日もう一日だけ頑張ろうと思える癒やしの雑談枠」
作ったコンセプトを「一貫性の原理」で定着させる
最高の一言コンセプトができたら、それをあなたの「ルールブック」にしてください。
もしあなたのコンセプトが「深夜の癒やし」なら、昼間にハイテンションでゲーム配信をしてはいけません。人間の脳は、「一貫性のないもの」に不快感を覚えます(逆に、一貫しているものには強い信頼を寄せます)。プロフィール文からサムネイルの文字、配信の最初の挨拶に至るまで、すべてをその「一言コンセプト」に寄せていく。
ブレない姿勢を貫くことで、リスナーは「あ、この人は信頼できる」と感じ、それがやがて「熱狂的なファン」へと変わっていくのです。
